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【就労支援の新たな視点:支援者支援の重要性とキャリアコンサルタントの役割】


学会勉強会風景イメージ
学会勉強会風景イメージ

■就労に困難を抱える方々の支援と「支援者支援」の重要性

先日、日本キャリア・カウンセリング学会が主催し、厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課 生活困窮者自立支援室が担当する勉強会「就労に困難を抱える方々の支援とその難しさ ~支援事例と“支援者支援”を考える~」に参加してきました。

私は、自ら治療と仕事の両立を続けながら、経営者として「治療と仕事の両立支援」に携わり10年目になります。企業の法定雇用率達成に向けたダイバーシティ推進、各種疾患・障害に関する理解促進、そしてキャリアコンサルタントとして、大手企業の管理職層へのカウンセリングやキャリアコンサルタント更新講習プログラムを作成監修に携わらせていただいています

■「支援者支援」という視点の必要性

今回の勉強会で特に印象的だったのは、「支援者支援」の重要性です。医療・福祉・介護・就労支援の現場では、支援者自身が膨大な課題と向き合い、時に孤立し、燃え尽きやすい現状があります。

さらに、病気や障害に対する知識不足や接点の少なさから生じる 「健常者側バイアス」 も根強く存在しています。こうしたバイアスを乗り越え、支援を必要とする方々に寄り添うには、単なる職業紹介や「職業マッチング」だけでは不十分です。


支援者の役割は、「その人がどう生き、どう働きたいか」をともに考え、意思決定を支えることです。エンパワメントを通じて、自己決定できる力を引き出す支援が不可欠だと再認識しました。

「キャリア支援」の概念をアップデートする

近年、キャリアの捉え方は大きく変わりつつあります。従来は「職業指導」や「就活支援」に焦点が当たっていましたが、これからは 人生全体を見据えたキャリア支援 への転換が必要です。

  • キャリアは 子どもから成人、老年、人生の最期に至るまで 続くもの

  • 学校から職業への移行支援だけでなく、 生涯にわたるキャリア発達 を支える

  • 成功体験も失敗体験も含めた 「多様な経験」 がキャリア形成に影響を与える

さらに、企業における法定雇用率引き上げに伴い、障害者雇用や業務の切り出し、定着支援がますます重要視されています。しかし現場では、固定概念によるバイアスで「働く機会」そのものが失われるケースも少なくありません。今後は 本人の能力や可能性を信じて引き出すアプローチ が求められます。

■就労支援に必要な5つの要素

今回の勉強会で共有された知見の中で、特に印象に残ったのが、「就労に困難を抱える方々を支援する上で必要な5つの要素」です。

  1. 的確なアセスメント力 — 個々の状況を正しく理解する

  2. 多様な支援策の知識 — 制度・資源を最大限活用する

  3. 幅広い出口(働き方)の提示 — 多様な雇用・非雇用形態を見据える

  4. 協力者・ネットワークの存在 — 企業や団体との連携を強化する

  5. 新しい仕組みを創る仲間 — 今ないものを「共に創る」視点を持つ

就労支援は、単なる「雇用」ではなく、一人ひとりが自分らしく働き、生きるためのキャリアを築く支援 であることを、改めて強く感じる機会となりました。


就労に困難を抱える方々の支援とその難しさ〜支援事例と支援者支援を考える受講証明書
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